先日、秋の深まる季節にぴったりのティーセッションを行いました。今回の参加者は、お茶の趣味で作る方、中国で茶文化を教える中国人の方、日本でお茶を楽しむ文化を広める方など、プロや愛好家としてお茶に深く関わる方々ばかり。そんなお茶好きな皆さんが、それぞれのお気に入りのお茶を持ち寄り、心温まるひとときを共有しました。
香ばしさ漂う緑茶 長崎 茶友の炒香(いりか)
ウェルカムティーとしてお出ししたのは、長崎県そのぎ地区で作られた日本茶「炒香(いりか)」。このお茶は、製茶会社 茶友 さんのものです。
香りと味わいの特徴
袋を開けた瞬間、特別な香ばしさがふわりと広がります。
「炒香」は、緑茶らしいフレッシュな香りに加え、焙煎の風味とやや深い甘みを伴う複雑な香りが特徴です。茶葉の色は鮮やかな緑色で、秋冬の空気の中でいただくと心が癒され、じんわりと温まります。
彼杵茶(そのぎ茶)として知られるこの地域のお茶は、特に品質が高く、海外の方にも人気があります。私自身もこのお茶の魅力にどっぷりハマっていて、ぜひ参加者の方々にも楽しんでいただきたいと思い選びました。
「炒香」とほうじ茶の違い
「炒香」は、ほうじ茶と混同されることがありますが、異なる製法で作られています。
ほうじ茶は、緑茶の製造工程が完了した後に焙煎されます。一方、「炒香」は、製茶の最初の工程である「殺青(さっせい)」の段階で、蒸しに”炒り”の要素を加えて香ばしさを引き出しています。この特別なプロセスにより、ほうじ茶とは異なる、より軽やかな香ばしさと緑茶らしいフレッシュさが生まれます。茶葉の色も、ほうじ茶の茶系と違い緑色です。
参加者の反応は…?
実は、今回のセッションでは少しハプニングが。早めに到着された参加者の方々にお茶をお出しした後、私が準備に追われてしまい、感想を直接聞くことができませんでした💦
ただ、このお茶を提供するたび、多くの方が「茶葉を購入したい!」と言ってくださるほど、その味と香りはおすすめしたいものです。
熱で酸化酵素を失活させて酸化を止めることを「殺青さっせい」と呼びます。日本での緑茶の主な加熱方法は「蒸す」ことです。中国では、葉を熱い金属面に接触させて加熱する「炒り」が主体です。
みなさんも、ぜひ季節の移ろいを感じながら、香り豊かな一杯を楽しんでみてください。次回のティーセッションでは、さらに多様なお茶の魅力をお届けしたいと思います!