【中国】浙江省 上山遺跡 1万年前から稲作 お米とお茶のハーモニー

先日、中国の稲作文化のイベントに参加する機会がありました。今回は浙江省金華市浦江県にある上山遺跡とお米のお話です。

お茶とお米の関係

中国浙江省の考古学研究所主催の稲作文化イベントに参加し、米とお茶のハーモニー、そしてお米の魅力を改めて感じました。

日本では、玄米茶の米とお茶の組み合わせが、しっかり定着していますよね。

プーアル茶とお米

会場でいただいたのは、雲南プーアル茶に老陳皮(乾燥させたミカンの皮)と炒り米をブレンドした特別なお茶。茶芸師の方が今回のイベントのために特別にブレンドをしたようです。

彼女は丁寧にお湯の温度を調整しながら淹れてくれました。ほのかに漂う陳皮の香りと炒り米の香ばしさが絶妙に調和した味わいでした。「秋に良いお茶ですよ」と言われ、確かに気温が低いときに心も温まるような深みと香ばしさを感じました。

優雅で気遣いあるお茶

杭州から来られていたこちら茶芸師の方は、私達の器に注ぐたびに、「この温度はぬるめです」や「今度は熱めですので、やけどしないように気をつけて」などと言ってくれました。このアドバイスはとても良く、飲むときに心構えや味わい方を自然に変えることができました。特に茶湯の温度が伝わりにくい器では、大事なことだと思いました。

特別な器!米と水晶の組み合わせ

驚いたのが、お茶を注ぐグラスの美しさ。キラキラしてて、とても素敵だと思いました。そして、なんと、このグラスの底にはもみ殻がついた米が7粒入っていたのです。

茶芸師の方の説明では、金華市浦江県は水晶ガラス製品の生産地とのことで、そこで考古学研究所(または上山文化プロジェクト)がオーダーメイドしたとのことでした。金華市浦江の2つの文化を合わせて作られた器。出席者はこのグラスがいただけたので、本当に嬉しかったです!

グラスの底、米粒見えますか?

浙江省金華市浦江県の場所(地図)

上山遺跡と稲作の起源

講演では、浙江省金華市浦江で発見された上山遺跡について紹介がありました。この遺跡は、1万年前の稲作栽培の痕跡が発見された場所とのことでした。中国でそれまで考えられていた稲作の開始年代が遡ったとのことなのです。2021年には中国の「百年百大考古発見」に選ばれたそうです。

気候や土壌が稲の栽培に適しているこの地で、稲作の歴史が始まり、その後日本には約3,000年前に伝わったといわれています。

日本では稲作の伝来が弥生時代の始まりとされていますが、昔教科書で習った時期と、今は違っています。日本でも古い水田遺跡の発見で、弥生時代の始まりが見直されました。

稲の価値と米文化

イベントでは日本人研究者が、稲作が広まった理由(米のメリット)について話してくれました。

  1. 生産性が高い
  2. 食味が良い
  3. 貯蔵性に優れている

改めて認識しました。稲作は社会構造を大きく変えたとも言われています。もし稲がなければ、私たちの食生活はどのように変わっていたのでしょうか?個人的には、おにぎりや寿司のない世界なんて想像するだけで寂しい気持ちになります。

こうした稲作の歴史を知ることで、日々何気なく食べているお米について、改めて考える機会と感謝の気持ちが湧きました。