こんにちは。2025年に中国を訪れました。
2019年以来の訪問で、中国の茶文化がどのように進化しているのか、感じたことををお伝えします。
目次
ドリンクチェーンで気軽に「本格中国茶」
まず大きな変化として感じたのは、ドリンクチェーンブランドによる純粋で香り高い中国茶の提供です。
これまで茶館でしか味わえなかったような本格的な中国茶が、今ではスターバックスのように街中で、カジュアルに紙カップで楽しめるようになっていました。
ティープレッソ マシンで抽出する中国茶
さらに驚いたのは、そのお茶の抽出方法です。
店舗では、注文ごとにエスプレッソマシンを使って一杯ずつお茶を淹れてくれる「ティープレッソ」方式が登場していました。
まるでコーヒーのように高圧で抽出されたお茶は、香りも味も濃厚で非常に上質。
中国の急須「紫砂壺」を使った伝統的なハンドドリップを経由せず、テクノロジーを通じて新しい味わいへと進化していることに驚きました。
そして、この進化が茶業界からではなくドリンク業界から生まれたというのも、想像もしていなかったことです。
CHAGEE NOW(茶姬現萃)でその体験ができました。

中国茶ミルクティーとラテの新時代
この高濃度で抽出されたお茶が、高品質なミルクと出会うことで生まれたのが、今人気の中国茶ラテ。
また、ジャスミン茶とミルクが融合したジャスミン茶ミルクティーは、花の香りとミルクのまろやかさが絶妙に調和し、まさに新しいハーモニーを奏でています。
中国茶を愛する方には、こうしたチェーンドリンクを巡ることを目的に中国を旅するのもおすすめです。
新しい中国茶の形を、カジュアルに体験できるでしょう。
CHAGEEのジャスミン茶ミルクティー(伯牙绝弦)は素晴らしかったです。

持ち帰り可能、配達可能な中国茶
これまで中国で中国茶を飲む場合、茶館や茶葉店、あるいは誰かの家など、提供される場所へ足を運ぶ必要がありました。しかし近年はフードデリバリーが普及し、自宅や会社、友人と集まっているその場で、好きなお茶を気軽に楽しめるようになっているのです。
コロナ禍における「集まらずに飲食する」スタイルや、若い世代の個人主義的な価値観が、茶館から人々を遠ざけ、「好きなものを、好きな場所で、モバイル注文で簡単に」という行動を当たり前のものにしているように感じられました。ドリンクチェーンの注文の半分以上が配達によるものだ、という記事も目にしました。
実際、多くの店では店頭に客さんがほとんどいなくても、スタッフはデリバリー用のお茶やミルクティーを作るために忙しく動き回っています。そして、フードデリバリーの配達員がひっきりなしに商品をピックアップしに訪れていました。
これまでの中国茶は「純茶」と呼ぶ
中国では、地図アプリにもデフォルトで「ミルクティー店を探す(奶茶店)」という表示がされていて、ミルクティーが中国社会に溶け込み、生活の一部になっているようです。
これまでの紅茶ベースのミルクティーから、中国茶を使ったミルクティーへと広がり、ドリンクチェーンのスタイルとして中国茶化や茶葉にこだわる方向性に行っています。
こうした流れから考えると、若い世代にとっては、「中国茶」という概念の中に中国茶ミルクティーが含まれているのかもしれません。もしかすると始めて触れた中国茶は、中国茶ミルクティーだったりする人もいるかもしれません。
そうしたことからか、茶葉から抽出しただけのお茶を「純茶」と呼び、区別するようになっていました。
日本でも、「日本茶特集」の雑誌で、抹茶スイーツや抹茶ミルクが中心的に扱われてたものがありましたが、これと似た状況と言えるのかもしれません。世代によって、「日本茶」や「中国茶」に対するイメージに違いが生まれてきているようです。
「軽養生」健康のために飲む
コロナ禍を経て、中国では人々の健康意識がさらに高まっていました。
ドリンクチェーンで提供されるお茶も、「健康的で栄養価の高いものを」という意識のもとで進化しています。
特に若い世代の間では、SNSを通じてその魅力が広まり、食べ物や飲み物を通して健康を得るという、古代中国から続く考え方への回帰が見られました。
「食養」「薬食同源」という言葉が、飲食店でよく見られました。
また「軽養生」という言葉もドリンクチェーンで見られました。
ドリンクチェーンが養生をできる場所としての地位を獲ているような感じでした。
変わらない風景「人が淹れる」新たな価値
一方で、変わらない風景もあります。
茶葉店を訪れると、店主が丁寧に試飲をすすめてくれ、香りや味を確かめながら茶葉を選ぶという、昔ながらの時間が今もありました。
ドリンクチェーンが増える中で、人と人とが茶を通じてつながるこの体験は、より貴重で尊いものに感じられました。
「人が淹れる」というこれまでの当たり前が、新たな価値として感じられました。

多方向へと広がる中国茶の世界
2025年の中国では、想像していなかったほど新しいお茶の世界が広がっていました。
多方向に広がりをみせ、更に早い進化の途中であり、業界や、概念の変化も起こっていました。
変化が早い中国、変化を書き留めないと、状況が塗り替わり、随分前からそうだったように感じてしまうことがこれまでありました。引き続き、変化に注目したいと思います。
